今回スイス内の各都市を訪れて感じるのが以前より明らかに、仕事が見つからない人、生活に困っている人が増えているということ。もちろんいつの時代にも、生活困窮者はそこそこにいるのですが、この10年くらいを見ると、やはりスイスは景気がいいなと感じることが多かったです。しかし、今回は特になかなか仕事が見つからない若者が増えてると感じます。
特に大学出たばかりの人たち。そもそも大学院まで行っている学生たちは25歳くらいになるまで十分な職業経験がない人も多いです。そこで、近年大学院を出てからインターンを半年、1年とやっていろんな職場を経験してから就職するという人が増えています。企業にとってもその間安く労働力を確保でき、学生は近年転職比率が高いので半年くらいやってやっぱり辞めたいとなったら、次に行けるというメリットもあるのですが、一方、学生にとっては雇用が不安定で将来不安も感じやすい。
一方スイスの大半の若者が通るルートは職業訓練学校に行ったり、専門学校(大学と職業訓練が一緒になったような仕組み)です。その人たちは教育の中に職業訓練が組み込まれているので、職業訓練をする子たちは15歳くらいから始まり、18歳になれば一人前の証明書がもらえます。そこから25歳までには7年も仕事をしていることになり、企業にとっては大変貴重な若手労働者になります。15歳で将来を決めるなんて、という声も聞こえますが、要するに早く、決めて訓練を始めた方が、圧倒的に後々有利です。そしてもしその職業訓練を終えて、やっぱり他のことをしたいとなればもう一度他の学校に行ったり別の訓練をすることもできます。
実社会との繋がりを持って教育を受けていると、社会の要請と自分のやりたいことがクロスするところが見つけやすいということもあります。
15歳から早すぎると言っても、ゆっくり考えるとか、選択の余地がある人は所詮恵まれていると言えるでしょう。金銭的に恵まれてなければその人こそ、すぐにでも職業訓練を始めて学校にいきながら仕事をして給料を少しでももらえるような状態にするべき。そうやってその道で起業して、成功している人たちがスイスには多くいます。
では大学に行く意味は何でしょうか。幅広い勉強を通じて、見識が広くなるのは間違いありません。特に学術研究をしていきたいのなら、大学に行く必要があります。
アメリカにいた時にも感じたことですが、アメリカも大学に行くことの方が、専門学校に行くより稼げる、もしくは高等であるという考えがあるせいか、みんななるべく大学に行こうとしていました。よって電気技師や、水道工事など、日常生活で絶対必要な技術者が少なく、あまり質が良くなかった。しかし今、AIの出現で価値観の大きなパラダイムシフトが起こっています。そう言った仕事こそ、AIにとって変わることはまだ考えられにくく、一方で私たちの生活には絶対に必要なものです。職人気質のある日本人であればAIにとってかわられることは少ないかもしれませんね。
格差を埋めるためなのか、日本ではあらゆる補助金という名前で、税金をたくさん、配りますが、人の才能は個々人全て違いがあり、そこは一緒にはならないので、それぞれの才能を最大限に引き伸ばすための教育が経済格差を埋めることになるのではないかと感じます。

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